外国人技能実習生が日本に来ても、ある日突然姿を消してしまう失踪が大きな問題となっています。

一度外国人技能実習生が失踪すると、見つかる確率は低いと言われています。

雇用する側からすると、朝突然消えてしまわれては業務に重大な支障を起こしてしまいます。

今回は外国人技能実習生の失踪とその対策について考えてみたいと思います。

外国人技能実習生の失踪とは?

外国人技能実習生として来日し、無事受け入れ先の企業も決定した後に、受け入れ先の寮などから突然いなくなってしまうことが外国人技能実習生の失踪です。

多くの監理団体はこうした状況を見越して、失踪後にもすぐに違う実習生を派遣する体制をとっています。しかし今までせっかく仕事を教えてきた実習生がいなくなってしまい、また一から仕事を教えなければなりません。

外国人技能実習生の失踪者数のワースト1はベトナム人

政府が発表した平成24年からの国別失踪者数では、平成24年は中国人で約1100人となり最も多かったのですが、平成29年では、約3700人でベトナム人が最も多くなっています。

中国人の失踪者数も平成24年から変わらずほぼ横ばいとなっているのですが、ベトナム人失踪者が急増している傾向にあります。

外国人技能実習生の全体数が増えていますので、それに伴って失踪者数は増加傾向にありますが、ベトナム人の失踪者数の急増は他の国の実習生とは違う特筆すべきものがあります。

では、失踪の原因はどのようなものがあるのでしょうか?

失踪の原因1:受け入れ先の過酷な労働

これはベトナム人の技能実習生に限らず、多くの失踪者に共通して言われていることです。

多くの企業は昨今の外国人技能実習制度の規制強化により、日本人と同列の雇用環境で雇用する様になりました。

しかし、未だに外国人技能実習生に対して過度の長時間労働や賃金未払いといった不当行為を行っている企業も未だに多く存在します。

また、パワハラやセクハラ、暴力といった日本人に対して行えば裁判となってしまうようなことも母国から来日する際に多くの借金など負担があり、受け入れ企業を自分で変更することができないため、技能実習生にとっては耐えるしかなくなってしまいます。

こうした過酷な状況が続いてしまえば日本人でも逃げ出してしまいたくなる気持ちになってしまいます。

失踪者が多い原因の一つとなっているのがこうした過酷な労働環境が挙げられます。

失踪の原因2:今よりも高い給与を支払うと誘われる

通常、技能実習生は監理団体を通して一つの受け入れ企業に雇用されるのですが、そこで働いている時に、今よりも高い給与で働かないかという誘いに乗ってしまうケースです。

こうした誘いは入管法で規定されている就労以外で働くこととなり、誘いに乗ること自体が違法です。また、違法と知りながら高い給与で技能実習生を引き抜くブローカーが存在することも問題となっています。

しかし、多くの外国人技能実習生は母国に家族を残していたり、借金の返済などがあるため、少しでも多くの給与が出る職場へと移ってしまうという現実があります。

そうした形で職場が変わることが実習生本人も違法と分かっているのかは不明ですが、失踪という形でいなくなってしまうこともあります。

これは、受け入れ企業が待遇に問題がなかったとしても起きてしまう非常に防ぐことが難しい失踪です。

失踪は受け入れ企業が悪いケースとそうでないケースに分かれる

失踪の原因は大きく分けてこの二つに原因があります。

受け入れ企業の待遇の悪さや長時間労働など労働基準法から逸脱した行為は現在、法務省や厚生労働省が規制を強化しているので、今後減少していくものと考えられます。

外国人技能実習生への非人道的な扱いは大きな国際問題となったため、実際に起きた失踪後に立ち入り検査などが入り、罰則を受けた企業も存在します。

しかし、2番目の原因による失踪は非常に複雑です。

受け入れ企業に非がなくても、技能実習生自身が高い給与を求めて失踪してしまうため対策を取ることができません。

現在、人手不足が深刻となっており、技能実習生でも高い給与で働くことができる場所を準備されていることがあります。

しかし、そのように就いた仕事は不法就労となるため、合法ではない仕事である可能性もあります。

実習生本人は、多くのお金を稼ぎたいと思って突然いなくなってしまうのですが、非常に危険な行為であると言えます。

急増するベトナム人技能実習生

ベトナム人の技能実習生の失踪者が急増し、平成29年度はワースト1となったのですが、その分、技能実習生として来日する人も多いというのが現状です。

親日の国として知られるベトナムでは、日本企業が現地に工場や店舗を作っており、交流が多くあるため、日本に行きたいと考えている学生や若者が多くいます。

日本語学校も多く、技能実習のための教育機関も多く存在するため、日本へ行く人を後押しする環境が整っています。

ベトナムで大学を卒業し、国内に就職した場合、人件費が安いため非常に安い給料で働くことになります。こうした国内の状況から、日本に行って稼ぎたいと考えているベトナム人も多くいます。

以前は、中国がこうしたベトナムの状況と同じでしたが、近年の経済成長により、日本に来なくても農村部から都市部へ行くだけで十分な給料がもらえるようになったため、わざわざ日本に来る必要がなくなったという見方もできます。

また、尖閣諸島の問題など日中関係が良くなかった時期もあったため、日本にくる中国人が少なくなったこともあります。現在はだいぶ関係改善されていますが、ベトナム人技能実習生が現在最も多く来日しているのが現状です。

技能実習生に失踪の恐怖を教えることも重要

受け入れ企業側がとても親切で、決して高い給与を払うことができないが技能実習生を戦力として捉えているのであれば、2番目のケースでの失踪は何としてでも阻止しなければなりません。

まずは、技能実習生と日ごろからコミュニケーションを取ることが重要です。失踪を誘うブローカーから声を掛けられても、技能実習生自身が断れれば防ぐことができます。

それには失踪の恐怖を伝えることが大切です。

失踪するということは必然的に不法滞在者となるという事を強く教えましょう。

不法滞在者になってしまうとまともな職に就くことはまずできなくなります。

失踪した技能実習生が遺体で見つかったという事件も多く報告されており、何らかの闇商売に関わっていたのではと考えられています。

実習生本人も真っ当に生きたいと考えているのであれば、そうした選択はいくら高い給与を支払うと誘惑されても断ることができるようになるはずです。

実習期間が終わってもちゃんと仕事をしていれば残れる可能性もある

技能実習の期間は3年から5年と期間が定められています。

しかし、技能実習生が受け入れ企業からの評判も良く、技能実習期間が終了した後も残りたいと思った場合、受け入れ企業が入管と折衝し高度人材の在留資格で残ることも可能です。

技能実習期間が終わったから帰国しなければならないと考えている実習生にもそうした方法があるということを伝えてみるのも、失踪の防止の一手段となります。

ベトナム人実習生に限らず、多くの技能実習生は失踪の可能性を抱えている

近年の失踪者数のトップがベトナム人でしたが、今技能実習生として来日している人数の比からそのような状況となっているだけであって、多くの技能実習生でも置かれている状況は変わりがないものと思われます。

家族への送金や借金の返済など、技能実習生の抱えているものは大きく、少しでもいい給与を支払うと言われれば、気持ちが揺れ動いてしまうのも良く分かります。

そうした技能実習生の心の隙間に入り込んでいくのがそうしたブローカーです。

こうしたブローカーに技能実習生を持っていかれないためにも、日ごろのコミュニケーションや現在の職場の不満などのヒアリングと改善が、監理団体や受け入れ企業側の責務であると考えられます。

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