外国人労働者に対する保険関係についてはどのように取り扱えばいいのでしょうか?

海外では、給料から天引きの労働保険がある国がなく、日本では常識のように支払っている社会保険でも、外国人労働者は嫌がることも多いと言われています。

しかし、外国人労働者であっても社会保険に加入する必要があります。

今回は外国人労働者の保険取扱いについて考えていきます。

労働者が加入する必要がある保険とは?

経営者が労働者に加入させる必要がある保険は労働保険と社会保険があります。

労働保険は、労災保険と雇用保険に分けられます。労災保険は労働時に事故に巻き込まれたりした場合に、労働者の医療費などを補償する内容の公的保険です。雇用保険は仕事を辞めた際に次の仕事が見つかるまでの間、給与を補償する保険となります。どちらも労働する上で万が一の時に安心な保険です。

社会保険は、健康保険や厚生年金などがあります。健康保険は病院に通った場合、公的負担が受けることのできる保険です。厚生年金は、65歳以降に毎月の生活費がもらえるものです。

労働保険の未加入が問題となっている建設業界

様々な業界の中でも、とりわけ建設業界においては日本人の労働者でも労働保険や社会保険の未加入率が高いということで問題となりました。

そのため、近年、建設会社などが発注業者に対して労働保険や社会保険に加入していることを証明する書類の提出を義務付ける通達が国土交通省より出されました。

日本人でも社会保険や労働保険が未加入だということが問題となっている業界ですので、外国人労働者においては未加入が常識だという雰囲気もあります。

特に、これから規制緩和により、建設業界の人手不足を解消するために外国人技能実習生の実習期間を延長するようになるので、外国人労働者の増加が見込まれます。

こうした業界の間違った常識を外国人労働者に持たせないようにする必要があります。

外国人労働者は給与天引きを嫌がる

海外では、会社から給料をもらうと、保険や納税といった社会的な義務は自分で支払うというのが一般的です。日本では、所得税や住民税、労働保険や社会保険の費用などを給料から天引きする源泉徴収が一般的です。

この方が労働者は税金や保険の支払日を気にすることなく生活することができるため、日本では面倒な手続きが不要です。

しかし、保険や税金がいくら支払われたかを自分で把握するには、給与明細をみるしかありません。

外国人にとって、税金は支払わなければならないものというのはわかりやすいのですが、保険を強制的に加入されるという感覚が理解できない人が多いため、給与天引きによる保険料の支払いを嫌がる外国人労働者も多いです。

労働保険、社会保険のメリットを説明しましょう

外国人労働者が保険加入に対して抵抗した場合には、保険加入のメリットを説明しましょう。

公的保険は基本的には事業者と労働者の負担となり、労働者側の負担の方が軽くなります。

また、税金による運営が大部分を占めるため、保険料のわりに受けられる補償が大きくなります。労災保険や雇用保険、健康保険など働いている時に万が一のことが起きた場合に補償が手厚い保険への加入はメリットが多く、説得しやすいものと思われます。

問題は年金への外国人労働者の加入

厚生年金は、外国人であっても加入する義務があります。しかし、一定の期間しか日本にない外国人労働者がほとんどですので、65歳以降から支払われる厚生年金への加入は理解が得られないことが多いのは納得できます。

そんな高齢の時に日本にいるのかどうかも分からないのに、なぜ年金に加入しなければならないのかというのは、義務だからというだけでは納得されずに、加入を拒否されてしまう可能性もあります。

そんな時には、脱退一時金制度を説明しましょう。

実習期間が終了して、母国へ帰国する際に、年金から脱退するのですが、その際に支払った分の金額が戻ってくるという制度です。

これは、年金は短期間日本で働く外国人労働者にとっても掛け捨てではなく、きちんと掛けた金額が戻ってくるということを説明することが可能です。

日本人にとっても加入のメリットがある保険

労働保険や社会保険は日本人にとってもメリットのある手厚い保険です。外国人労働者にも加入の義務があり、その恩恵は十分に受けることができます。

こうした事実を外国人労働者にきちんと説明できなければ、ただ会社が給与天引きで本来は自分がもらうはずのお金をピンハネしていると誤解されてしまうことになりかねません。

また、年金や労災保険など税金で運営されているものに対して懐疑的な日本人も多く、外国人に対しても安易に「入らなくてもいいよ」と言ってしまう人も少なくありません。

年金については段階的に受給年齢を引き上げていっているため、その不信感は多くの日本人が持っているでしょう。

そのため、外国人労働者がそんなために手取りを減らすのは可哀想だというように思うことも理解できます。

労働保険や社会保険未加入は会社が罰せられます

労働保険や社会保険は、労働者だけでなく会社も保険料を負担する必要があるため、外国人労働者を上手く言いくるめて未加入にしてしまおうという経営者の方がいましたら、それは違法です。

特に雇用保険の未加入は雇用保険法による罰則規定がある極めて重たいものです。

保険という名前のため、未加入でもいいというものではありません。

労働者保護のための保険ですので、加入をしなかった経営者が罰せられます。

外国人労働者であっても保険加入を

源泉徴収の文化のない外国人に源泉徴収を説明し、納得させて保険料を徴収するのは大変かもしれません。納得できないお金を払うのは誰でも嫌なものです。

しかし保険加入は経営者の義務でもあります。

保険のメリットを説明し、双方納得した形で保険加入を行いましょう。

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