日本人を雇用した場合は、どのような書類をどこへ届ける必要があるかは経営者の方であればよくご存じではないかと思います。

しかし、外国人を雇う場合は何か届け出や手続きが必要なのでしょうか? 届け出を忘れたり、知らなかったりすりと、場合によっては行政などから注意を受けてしまう可能性もあります。

外国人を雇用する場合はこれだけ押さえておけば問題ありません。

外国人労働者を雇用した場合に届け出を出すのはなぜ?

通常、日本人の雇用であれば、雇用に際して特別な届け出を省庁などに提出する必要がありません。

それは、企業と個人との労働契約となるため、社会保険など労働に必要な届け出以外は特別な理由がない限り、届け出は不要です。

しかし、外国人労働者を雇用する場合にはそれ以外にもいくつか届け出を出す必要があります。

この背景には、不法な就労の防止と、企業の労働基準法違反の監視が主な目的です。

まず、不法就労についてです。外国人労働者は、入国期間を定めて入国することが一般的です。その入国期間を過ぎても、日本にいることは不法滞在となり、働き続けることは不法就労となります。

外国人労働者は一度入国してしまうと、入国期間を過ぎても滞在しているということが判明しづらい状態となってしまいます。そのため、企業側に外国人労働者の届け出を行い、不法就労の防止を行うことが目的です。

労働基準法違反の監視

外国人労働者を雇用する企業の、外国人労働者に対する長時間労働や低賃金労働のような労働基準法違反の発生する割合が極めて高いという状態が問題となりました。

実際に労働基準監督署の立ち入り検査が入った企業も多くありました。

こうした状況から、政府も外国人労働者を雇用する企業の規制強化に乗り出さなければならなくなったという状況になります。

これは外国人労働者と良好な関係を保ち、戦力として働いていてもらっている企業にとっては非常に迷惑な話ではありますが、こうした状況から届け出が必要となってしまいました。

具体的な届け出と提出先

この届け出提出の義務化は、厚生労働省が雇用対策法第九条に基づいて平成19年に制定した「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」に基づいております。

外国人労働者の届け出は、所定の届け出用紙をハローワークへ提出します。届出内容は以下の通りとなります。

・氏名
旅券や在留カードに記載されている氏名を記載してください。通称名などは不可となります。

・在留資格
在留カードまたは旅券の上陸許可証印に記載された内容を記入してください。

・在留期間
在留カードの在留期間または旅券の上陸許可証印の記載された内容を記入してください。

・生年月日、性別、国籍・地域
在留カード、旅券の内容を記入してください。

・資格外活動の許可
これは、外国人留学生などがコンビニや飲食店などでアルバイトができるような内容が記載されています。本来のビザは留学なのですが、本業に支障のない範囲でのアルバイトが認められているといった内容です。

これらの情報を、ハローワークに届け出ることによって、外国人労働者がどのような企業に雇用をされているのかが分かるようになります。

これは、仮にこの外国人労働者が企業を辞めた場合でも、ハローワークにて次の仕事の斡旋なども受けることができ、外国人労働者にとってもメリットのあるものになります。

この届け出は雇用保険の対象となる外国人は日本人雇用でも扱われる「雇用保険被保険者取得届」に替えることができます。

外国人雇用の際の届け出を怠ると…

雇用時に外国人だということを知っており、意図的に届け出をしなかった場合、行政の指導、勧告の対象となり、30万円以下の罰金の対象にもなる可能性があります。

また、在留期間を過ぎた外国人を雇用した場合などの不法就労については、労働者だけでなく企業も罰則の対象となります。

ハローワークに外国人労働者を登録すれば、雇いたいと考えている人の在留資格などを後々照会することも可能です。

気がつかないうちに行政の注意をうけるようなことになる前に届け出を行うようにしましょう。

短期アルバイトとして外国人労働者を雇う場合

上記説明は、雇用保険など外国人労働者を正社員として雇用する場合に必要なものでした。

企業としても短期アルバイトなどで外国人留学生などを雇用するという経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そういった場合でも、同じ届け出が必要となります。

これは、企業としては短期と考えていても1年だったり、週3日だったりと企業によって短期アルバイトの意味が違うためです。

また、アルバイトとして外国人留学生を正社員並みに酷使したり、不法就労を行う会社などもあるため、アルバイトについても外国人労働者の登録が必要となります。

「外国人労働者=安く使える」ではない

外国人技能実習生は、母国で借金などをして日本で働きに来ているという人もたくさんいます。そのため、多少賃金が安くても母国で働くことと比較して、無理を承知で働くという人も少なくありません。

そんな外国人技能実習生の弱みに付け込むように、雇用先企業の低賃金労働、長時間労働が常態化していた企業が一部ではありますが存在していました。

今回説明した届け出などの規制強化は、こうした企業が行った行為の結果ともいえます。

しかし、届け出さえ提出していれば、何も後ろめたいことはありません。正規に外国人労働者を雇用しても何の問題もありません。

外国人労働者との労働契約は労働基準法に適合しているか?

企業が人を雇う際に必ず関わってくる「労働基準法」ですが、これは日本人にだけ適用される法律ではありません。日本で働く労働者すべてに適用されることはあまり知られていません。

外国人労働者であっても労働基準法によって守られている存在となります。そのため労働基準監督署は、外国人であっても労働基準法違反があれば注意勧告をします。

外国人労働者との労働契約に合意があっても、その内容が労働基準法に適合していなければ、注意の対象となります。

ポイントは「労働基準法」ということを押さえておきましょう。

全ての人が気持ちよく働く企業になるために

外国人労働者と日本人労働者が同じ工場で働く場合でも、双方が「得体のしれない存在」という目で見ていたという経営者の方もいらっしゃるのではないかと思います。

外国人労働者であっても、工場勤務などが長いと、日本の職人並みの繊細な技術を身に着けて替えの効かない存在となっている人なども多くいます。

こうした高い能力を有する人材を活用しない手は企業側としてないのではないかと考えます。

しかし一部では、外国人労働者は一度離職してしまうと、次の職が見つからないなどの現状が報道されています。

外国人労働者を雇う企業が、ハローワークに届け出することで、こうした状況が少しでも改善されるのではと考えます。

そのためには、行政への届け出は必要です。届け出を行えば、日本人と同じように職場で働くことができます。

これからの時代、外国人労働者とも日本人労働者が協力しなければ、経済発展ができない時代がすぐそこまで来ています。

人手が足りないと考えている経営者の方も、外国人労働者の活用を考えてみてはいかがでしょうか?

外国人労働者の特性をよく見極めれば、きっと職場でも活躍してくれることでしょう。

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